こんにちは。
先日、VBAエキスパート(Excel VBA ベーシック)の独学勉強法について記事にしました。
ベーシック合格後、その上のランクの試験・VBAエキスパート(Excel VBA スタンダード)についても勉強して合格しました。
…という訳で、今回はスタンダードの独学勉強法について、記事にしたいと思います。
VBAの基礎が問われるベーシックと比べて、スタンダードはだいぶ難しかったです。
【注意】
ExcelのVBAエキスパートには、ベーシックとスタンダードの2種類ありますが、この記事では上のランクのスタンダードについて書いています。
ちなみに、私の点数ですが、1000点満点中775点でした。
この時の合格ボーダーラインは700点。
8割きっていたせいか、受験した時の手応えとしては、合格してるのかどうか、すごく不安という感じでした(笑)
そんなことも踏まえつつ…どうぞー
【追記】関連記事
VBAエキスパート(Excel VBA ベーシックに関しては、単語帳を使って用語などを覚えましたが、その内容を記事にしました。
VBAエキスパートとは
VBAエキスパート全体のことについては、VBAエキスパート(Excel VBA ベーシック)の記事に記載してあるので、そちらをどうぞ。
【合格体験談】VBAエキスパート(Excel VBA ベーシック)の独学勉強法
この図の中の左上にあるのが、VBAエキスパート(Excel VBA スタンダード)です。
VBAエキスパートのExcel版の中の上のランクの試験ですね。
▼リンク
VBAエキスパート(Excel VBA スタンダード)とはどんな試験なのか、箇条書きにするとこんな感じです。
ベーシックとスタンダードで重なる部分もありますので、スタンダードのみの特徴は赤で記載しています。
・Excel VBAの基本文法を理解した上で、さらに高度な応用編の知識が問われる試験。
・配列、検索とオートフィルター、並べ替え、テーブル操作、エラー対策などが出題範囲。
・株式会社オデッセイ コミュニケーションズが主催している民間の資格。(同社はMOSも主催している会社)
・試験時間は50分、問題は40問。
・1000点満点で、合格点は700点以上。(問題の難易度によって合格点は都度変更)
・PCを使用したCBT試験。全国に会場があり、任意のタイミングで受験可能。(平日も土日も受験できる)
・PCでの試験だが、四択のみではなく、穴埋め式の記述問題もある。(PCに入力して回答)
→ベーシックよりも、記述問題が多い。
・受験資格は特になし。
→ベーシックに合格していなくても受験OK。
さらに詳しい内容については、VBAエキスパート公式サイトをご確認下さい。
ベーシックよりもより踏み込んだ知識が問われる試験。
記述問題も増えるというのが大きな特徴です。
なお、ベーシックの時も書きましたが、スタンダードも受験料が高いです。
2024年7月現在の受験料は…
一般の受験料 14,850円(税込)
割引の受験料 13,420円(税込)
ベーシックよりもさらに少し高い…!
割引受験料というのは対象となる資格を持っていると受験料が割引になる制度のことです。
割引受験制度|VBAエキスパート公式サイト (odyssey-com.co.jp)
すでにベーシックに合格している場合や、MOSなどの試験に合格している場合も割引の対象となります。
独学勉強法・使った参考書
VBAエキスパート(Excel VBA スタンダード)は、下記のような流れで勉強しました。
ベーシックよりも難しい内容だったので、結果的には勉強法も異なるものなりました。
①VBAエキスパートの公式テキストを1回読む。(VBAを動かしながら)
②非公式で出ている問題集を解く+復習ノートづくり
③章ごとに単語帳作って暗記
④暗記シート作って暗記(7、8章のみ)
⑤公式から出ている模擬試験を解く
⑥公式・非公式の問題を解きながら、単語帳と暗記シートで復習
当初は、ベーシックと同じように『テキストを読む→問題をひたすら解いて知識を詰める』という作戦だったのですが、問題を解くだけでは全然覚えられず、このような形になりました…
順番に解説していきます。
※ちょっと回り道してしまっています。今振り返るとベストな勉強法はコレだったなというのはまた別にあるので、それは最後にまとました。
(『試験後に考えた、ベストな勉強法』のところを参照してください)
①VBAエキスパートの公式テキストを1回読む。(VBAを動かしながら)
まずは公式テキストを通読しました。
実際に出てきたコードを書いて、VBAを動かしながら。
スタンダードの公式テキストはこちらです。
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ベーシックと比べても格段に難しくなった感じがして、これは合格できるのか…と不安になりましたが、覚えられるか・完璧に理解できたかなどは深く考えずに、とにかく読みました。
実際、1回読んだくらいでは全然覚えられなかったです。
それどころか理解すら怪しいところもあったり…でもとにかく読みました(笑)
②非公式で出ている問題集を解く+復習ノートづくり
公式テキストを1回読んだ後は、非公式で出ている模擬試験を解きました。
なんでいきなり非公式の模擬試験?公式の模擬試験を解かないの?と思われるかもしれませんが…
公式の模擬試験は1回分しかなくて、もっと内容を理解&暗記してからの方が良いと思ったため、先に非公式で出ている問題集を解くことにしました。
非公式の問題集…まず使ったのはこちら。
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ベーシックの時も同じ方が出しているものを使ったのですが、1~5章までの分について、章ごとの問題があるというものです。
6章以降についてはWEBサイトに飛べば見ることができるはずなのですが、2024年7月現在リンク切れとなっていて、6章以降は解くことはできません。
(ベーシックの問題集と同様の状態)
1~5章までの分しかないという難点はありますが、とにかく少しでも多くの問題を解きたかったので、まずはこの問題集をやりました。
そして、問題集を解くのに加えて復習ノート作りも。
詳しくは、VBAエキスパート(Excel VBA スタンダード)の勉強法の記事にも書いていますが…Goodnotes(グッドノート)というノートがとれるアプリを使って作っていました。
こんな感じ。
電子書籍で購入した問題集を解き、覚えたいなーと思う部分の解説部分などをスクショして、ノートアプリに貼り付けていろいろ書き込んでいました。
ベーシックの時は間違えた問題についてだけ復習ノートを作りましたが、スタンダードでは間違えていないものも含めて覚えたいもの全てノートにしていました。
最初の問題集だと6章以降の問題がないので、もう1冊やりました。
それがこちら。
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この本は模擬試験3回分(40問×3回分)の問題が掲載されています。
1回ずつの模擬試験として使用することもできますが、同じ内容の問題が章ごとに掲載されている箇所もあるため、私は章ごとに解いていきました。
それで、問題を解いてはノートを作成するという流れで勉強。
非公式の問題集はこの他にもいろいろ出ているようです。
Kindle Unlimitedで読める本だったので、都度でお金を払わずに済みました。
※1冊目に紹介した本ですが、解答の部分で本来で大文字でないといけないものが小文字になっていたりはしたので、そのあたりは自分でよく確認したりする必要があるかと思います。
③章ごとに単語帳を作って暗記
非公式の問題集を2回くらい解いた私ですが、全然内容が覚えられずにいました。
勉強した瞬間は覚えてるけど、別の章を勉強してから再度やるとできない…
全然覚えられてない…!
ベーシックは問題集を解くだけで覚えられたのですが、スタンダードは内容が高度なせいか、同じ勉強法では私はダメでしたね。
という訳で、単語帳を使って強制的に暗記することにしました。
単語帳使うなんて高校生の時以来ですが、今はいろいろ進化しているので、紙ではなくて、アプリの単語帳を使いました。
いくつか試しましたが、良かったのが『単語帳メーカー』というアプリ。
シンプルで、とても使いやすかったです。
Excelでデータを作成してアップロードしたりもできるそうですが、私はPCで作成した原本をiPhoneでコピペして貼り付けて、1つ1つ作成していました。
画面としてはこんな感じ。(表裏を1つの画像にしたもの)
タップなどすると表裏が切り替わります。
文字数が多いと小さくなってしまうのが難点ではありますが、機能としては十分でした。
この単語帳アプリを使うことで、強制的に覚えていきました。
テキストを読んでも、問題を解いても、復習ノートを使っても覚えられなかったのに、単語帳を使ったら結構一気に覚えられました。
単語帳すごい…!
④暗記シート作って暗記(7、8章のみ)
単語帳と使っての暗記はとても良い感じだったのですが、7章8章に関しては、丸暗記した方が良いのでは?と思ったので、単語帳ではなくて暗記シートを作って暗記しました。
7章、8章はこんな内容です。
7章.データの並べ替え
8章.テーブルの操作
スタンダードの中でも、私には、この2つの章は飛びぬけて難しく…
中途半端な暗記では合格できないなと判断したので、VBAのコードを丸暗記することにしました(笑)
実務を意識した勉強をと思っていましたが、完全に試験に合格するための勉強になってしまっていますが、致し方ない…
私が言っている『暗記シート』というのは、昔からあるコレです。
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赤で書いた文字に赤いシートをかぶせると消えるもの…『赤シート』とも言う。
この赤いシートはなぜか最近まで家にあったのですが、わりと最近捨ててしまったので、アプリを使ってみました。
いろいろ試しましたが、便利だったのはコレ。
『イルカの暗記シート』
(WEB版はないようなので、アイコン画像を貼っておきます。iosアプリです。)
紙を用意して、覚えたいところを赤で記載し、カメラで写真を撮ります。
そしてアプリに読み込ませると、赤い部分だけ見えない状態になり、下にスライドしていくことができるというもの。
まずは紙に書かないといけないので、アナログはアナログですが…
また赤いシートを購入したくはなかったので、アプリがあって良かったです。
実際使ってみた様子はこちら。
まず、紙をカメラで撮ります。
そして、それを暗記シートアプリにアップロードして、アプリ上で確認。
下の写真は、下半分が赤シートで隠されている状態。
下にスライドしていくと、徐々に隠されているところがあらわれてきます。
(この写真だとちょっとわかりにくいですが)
このアプリを使って、7、8章は強制的に暗記しました。
流石昔からある手法だけあって、覚えやすかったです。
⑤公式から出ている模擬試験を解く
単語帳や暗記シートを使って暗記をした後に、公式から出ている模擬試験を解きました。
公式の模擬試験は、公式テキストの最初の方のページにリンク先への飛び方が記載されています。
ようやく公式の模擬試験を解く段階まで来た…
理解するのも覚えるのも、本当に大変だった…
ちなみに、公式の模擬試験を始めて解いたのは試験の2日前。
かなりギリギリです。
初めて解いた時点で、正答率は7割くらいでした。
試験間近なので、結構ヤバイ…
⑥公式・非公式の問題を解きながら、単語帳と暗記シートで復習
試験まで残りの2日間は、ひたすら問題を解く&単語帳と暗記シートで復習をしていました。
序盤に作った復習ノート(問題の解説をコピペしていろいろ書き込んだもの)は全く使わず…
単語帳と暗記シートのみで良かったですね。
勉強してみないとわからないことではありましたが…
出題傾向、勉強のコツ、受験の際に気を付けるべきこと
ここからは、出題傾向、勉強のコツ、受験の際に気を付けるべきことをまとめます。
出題傾向
VBAエキスパート(Excel VBA スタンダード)は下記のような内容で構成されています。
VBAエキスパートのスタンダード、出題傾向は下記のようなものです。
ベーシックと重複する箇所もかなりあります。
ベーシックと違うところは赤字にしました。
・説明の文章が書いてあり、四択の中から合っているものを選ぶ。知識問題。
・『このマクロを実行したらどうなるか?』四択の中から選ぶ問題。
(選択肢の中に「エラーになる」「何も起こらない」などもある)
・穴埋め問題。四択から選ぶタイプのものと、自分で記述するタイプの問題がある。
⇒スタンダードはベーシックよりも記述問題がかなり多い。穴埋め問題のうち9割近くは記述式だった。
・『このマクロはエラーになるが、どこの行でエラーになるか行数を回答せよ』という問題。
・四択でコードが記載されており、『選択肢の中からエラーになるものを選べ』という問題。
・データが入ったExcelのが画像があり、『このマクロを実施したら合計はいくつか?』『メッセージボックスには何という文字が出るか?』などを答えさせるタイプの問題。
⇒試験本番はメモ用紙はないので、暗算しないといけない。が、この手の問題がベーシックよりは数が少なかった。
・記述問題がベーシックに比べてだいぶ多い。四択でも簡単に消去法では絞り切れないような問題が増えた。
あとは、たまたまかもしれませんが、公式の模擬試験問題と比べると、少しひねったような問題が多かったような印象も受けました。
かなりしっかり理解&暗記していないといけなくて、それプラス、多少の応用が問われるようなイメージです。
また、これはベーシックにも共通することなのですが、『このマクロはエラーになるが、どこの行でエラーになるか行数を回答せよ』という問題は、公式の模擬試験にはないですが、本番では1問出ました。
(ベーシックでもスタンダードでも、本番で1問ずつ。)
すごく多い訳ではないが、1回の試験の中で1問は出る問題なのかもしれないなと思います。
勉強のコツ
出題傾向なども踏まえつつ、私が考える勉強のコツは下記です。
・1~5章はそこまで難しい内容ではないので、しっかり内容を暗記して、問題に慣れるようにする。(関数、ステートメントなど。ただし、2章の変数は「配列」という新しい概念が出てきて、ちょっとわかりづらいのでテキストをよく読むこと)
・9、10章は知識問題=暗記すれば解ける問題なので、しっかり暗記して確実に得点できるようにする。そこまで覚えづらい内容ではないはず。
・6章(セルの検索とオートフィルターの操作)は新しい概念が出てくる上に、引数が多くて暗記が大変。勉強時間は多めに見ておく。
・7章(データの並べ替え)は難しい上に公式テキストがとてもわかりにくい。
Excel2007以降の並べ替え、Excel2003以前の並べ替えの両方が試験では出るが、自分でまとめ直すなどして、暗記した方が良い。
・8章(テーブルの操作)も公式テキストがとてもわかりにくい。
ListObjectを使うやり方&構造化参照を使うやり方の2種類が主に試験に出るが、自分でまとめ直して暗記した方が良い。
・7、8章は可能なら丸暗記推奨。
・暗記しないといけないものが多いが、暗記するだけでは解けないので、『暗記+問題集を解く』をひたすら繰り返す勉強法が良い。
ベーシックとはだいぶ異なるのですが、章ごとに対策を立てた方が良いかなと思います。
特に鬼門となるのが、7、8章。
そもそも難しい上に、公式テキストを読んでも、で?何が言いたいの?何を覚えれば良いの?状態でした…
(本の構成として、とてもわかりにくいのです…)
7章8章の主な内容をまとめるとこんな感じです。
(主な内容なので、実際はもう少し他のことも書いてあります)
7章の①②、8章の①②は丸暗記するレベルで覚えるのが良いと思います。
8章の②については、公式テキスト内では『こういうのもあります』程度で軽くしか説明されていません。
「8章については①③を解説します」ということが明言もされていたので、8章の②については私は捨てました(笑)
暗記の仕方は人それぞれだと思いますが、上にも書いた通り、単語帳と暗記シートを使うのがおすすめです。
ざっくり覚えれば合格できるというような試験なら、そのようなツールは使わず、問題を解きまくる方法で勉強するのですが…
VBAエキスパートのスタンダードは、私にはその方法では無理でした。
しっかり暗記+問題を解きまくる、が良いです。
試験後に考えた、ベストな勉強法
試験後の今、私が思うベストな勉強法はコレです。
①公式テキストをざっくり一通り読む(VBAを動かしながら)
②【1~6章】公式テキストを見ながら単語帳を作る。
③【7、8章】公式テキストを見ながら暗記シートを作る。
④【9、10章】公式テキストを見ながら単語帳を作る。
⑤非公式の問題集を使って、1章から順に、問題を解く&単語帳or暗記シートで暗記。
⑥(ある程度問題が解けるようになったら)公式の模擬試験を解く。
⑦『単語帳・暗記シートで暗記の確認+問題を解く』をひたすら繰り返す。
ポイントとしては
・最初にテキストを読むのに時間をかけない。ざっくり。VBAを動かすけど、これもざっくり。(うまく動かなくてもあまり深追いしない)
・単語帳と暗記シートは勉強の初期段階で作る。
・『単語帳・暗記シートで暗記の確認+問題を解く』という作業を繰り返すこと。
です。
今考えると、これが最短でベストだけど、勉強をする前にこの方法は思いつかないな…
ちなみに、非公式の問題集ですが、最初に紹介したこちらの本(1~5章の問題集)ですが、
3章に関しては本番の試験とちょっと傾向が違うかなと感じました。
【新試験対応】VBAエキスパート試験 対策問題集 Excel VBA スタンダード 1-5章 新品価格 |
ただ、知識を詰める意味では若干傾向が違う問題も解いた方が良いと思います。
先程も書きましたが、本番では、公式の模擬試験よりも若干ひねられた問題が出る印象なので…
受験の際に気を付けること
受験の際に気を付けることですが、ベーシックと同じなので割愛します。
詳しくはこちらをどうぞ。
【合格体験談】VBAエキスパート(Excel VBA ベーシック)の独学勉強法
まとめ
以上、VBAエキスパート(Excel VBA スタンダード)の合格体験談でした。
本文には書ききれなかったのですが、その他に感じたこと。
・関数、変数、ステートメントなどの一部の内容で、ベーシックの内容と若干かぶりがあり、『今更…これはベーシックの試験前に知りたかったよね』ということが結構あった(笑)
・(ベーシック、スタンダードともに言えるが)VBA以前にExcelの基本的なことがわかっていることが前提となっている。ただ、全くExcelを知らないという訳でなければ、調べつつやればどうにかなる。(私も知ってそうで知らないこと多くて、かなり調べながら勉強した)
・テキストを読んだのに&問題を解いたのに、あとでその章に戻ると内容をすっかり忘れているということがかなり多かった。それを踏まえると、1章ごとにがっちり暗記していきたい気もするけど、先の章を読んで初めて前の章が理解できるということもあったので、まず最初にざっと通読するのは必須だと思う。
読んで頂いて、ありがとうございました。
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