こんにちは。
あやぞぅです。
ここ数日、日大アメフト部の悪質タックル事件が話題になっていますね。
日本大学アメフト部と関西学院大学アメフト部の試合で、プレーが終了しているにも関わらず、関係ないところで悪質なタックルを行い、ケガをさせたという事件です。
被害を受けた大学の監督、被害を与えた大学の監督、被害者のお父さん、加害者となったアメフト選手などが会見を行っていて、かなり注目を集めていますが…
私もかなり気になって、ニュースなど結構見ていたりします。
そんな連日の報道を見ていて、ふと思ったことがありました。
それは…
日大アメフト部の監督・コーチ・選手間で起きていたのと似たようなことが、会社や組織の中でもあるよな…
ということ。
そんなことについて、いろいろ考えたので、ちょっと書いてみたいと思います。
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日大アメフト部の悪質タックル事件とは…問題点を考えてみる。
まず、簡単に、日大アメフト部の事件について。
事件が起きるまでの流れを端的にまとめると、だいたい、こんな感じになるかと思います。
①加害者となる日大のアメフト選手は、将来有望な選手ながら、直前の試合や練習などから外されていた。(やる気が感じられないなどといった理由で)
②どうしたら試合に出られるか、コーチなどに相談。コーチを通じて監督に試合に出られる方法を聞いたところ、「相手のクオーターバックを1プレイ目で潰せ」というような指示があった。
③加害者選手は悩んだが、実行に移すことを決める。
④「1プレー目で潰すので使ってください」と監督に言いに行き、出場選手に選ばれる。
⑤試合の当日、整列時にコーチから「できませんじゃ済まされないぞ」とさらに念押しされる。
⑥試合で危険なタックルを実行。
この事件の問題点は、かなりいろいろあると思うのですが…
危険なタックルを行うまでに絞って考えると、主に問題になるのはこの2点ではないかと思います。
①監督やコーチという選手を指導する立場の人間が、「相手チームの選手にケガを負わせろ」という指示を行ったこと。
②加害者選手が、監督やコーチの指示にそのまま従い、危険なタックルを行ってしまったこと。
はっきり言って、①は全く理解出来ないというのが正直なところ。
スポーツマンとして、それ以前に人として、あり得ない行動だと思います。
②に関しても、いくら監督やコーチの指示があったからと言って、相手にケガをさせる目的で危険なタックルをするなんて…
絶対に許される行為ではないし、間違いなく加害者選手が悪い。
そう思います。
でも、そう思う反面、加害者選手が置かれていた状況については、ちょっと考えてしまうんですよね。
大学以前からアメフトに打ち込んできた将来有望な選手だった。
監督から、「やる気がない、闘志が足りない、そんなことでは試合にも出さない」と言われ、メンバーから外されていた。
日本代表戦も選ばれているにも関わらず辞退するように言われ、理由も聞けずに「わかりました」と答えるしかなかった。
高校時代からお世話になっているコーチにも、相手にケガするようなプレーをするように後押しされた。
…相当追い込まれていたんだろうなと思ってしまうのです。
だからと言って、危険なタックルをして、相手をケガされて良いことには絶対にならないけど。
加害者選手の立場に立って考えると…
監督やコーチの指示に従うべきではなかったと思います。
でも、監督やコーチの指示を拒否した場合の末路も、決して良いものではなかったんだろうな…と思ってしまうのです。
今後もずっと試合には出られず、練習さえも出来ず、事実上、選手生命を絶たれるに等しい状態に追い込まれたのではないかと思うのです。
ここで、他大学のチームへ移籍する、などといった選択肢が選べるならまだ良いと思います。
でも、実際はそれは無理なのではないか?と思うのです。
アメフトや大学でのスポーツについて、詳しい訳ではないので、確信はありませんが…
日大アメフト部の監督は、大学アメフト界でだって有名な監督なはず。
日大のアメフト部ではダメだから他大学へ…なんて言っても、他大学のアメフトチームが簡単に受け入れることはないんじゃないだろうかと思います。
また、チーム内で不当なことがあった、監督やコーチの指示に疑問を感じた、と言っても、こんな風に大ごとにでもならない限りは、それを理解してもらうのは難しいとも思いますし。
そう考えると、監督やコーチの指示に従わなければ、日大の同じようなレベルの大学のアメフト部で活躍するということは叶わず、引退に追い込まれるという展開になることが目に見えていたんじゃないかなと思ってしまうのです。
『上からの命令に従う以外の選択肢を考えられなくなる』問題。
日大アメフト部の事件の問題の核にあるのは、
上からの命令に従う以外の選択肢を考えられなくなる
ということにあるんじゃないかと思います。
冷静に考えれば、上からの命令に背くことは可能なはずなんです。
でも、上からの命令に背いた後に被る不利益が大きくて、おかしいと思うけどやるしかないと思ってしまう、ということなんですよね。
また、『上からの命令』は、当時に『組織や集団の中での常識』でもある場合が多々あると思います。
危険タックルをした加害者選手が泣いていたら「優しすぎるからダメだ」と言われたり、「相手のことは考えるな」「退場になってるんだからもう処罰は下ってるし、気にするな」などといったことをと言われたり…
相手にケガをさせるくらいの反則プレーをしても勝てれば良い、という考えが、チームの常識になっていたのではないかなと思うのです。
勿論それは監督やコーチが自らの権力を使って植え付けたもので、明らかに間違っている訳なのですが…
でも、その組織の中にいて組織特有の価値観にどっぷりつかっているとわからなくなってしまうこともあるのかもしれないと思うのです。
または、追いつめられて判断能力を失い、明らかに間違っている『組織内の常識』に従ってしまうこともあるんだろうと思うのです。
でも、こういったことって、何も大学やスポーツのチームに限ったことではないと思うんですよね。
会社なんかでもよくある構図だ…と、事件の一連の報道を見ていて、そんなことを思いました。
『上からの命令に従う以外の選択肢を考えられなくなる』私が会社員時代に経験したこと。
私の会社員時代を振り返っても、実体験として、『上からの命令に従う以外の選択肢を考えられなくなる』、『組織や集団内での間違った常識に従うしかなくなる』といったことはあったなと思います。
上司の中には、収益至上主義で、顧客のことを考えず、信じられないことを部下に指示するというような人が何人かいました。
一番ひどかったのは、東日本大震災の起きた日の翌月曜日に、「ガンガン電話でセールスしろ!」と言った当時の所属長です。
このことは過去記事にも書いてあるので、よろしければどうぞ。
ブラック企業あるある?大雪・台風・災害などの緊急時に上司が放った信じられない言葉4選。
(簡単に説明すると、東京でさえ非常事態であったあの時に、「家にいる人が多いはずだから、ガンガン電話セールスをして収益を上げるように」という指示が出た、という話です)
この当時の所属長は、一時が万事そんな人で、また威圧的でもあったので、「顧客のことよりも収益」というような空気が蔓延していました。
おかしいと思いながらも誰も逆らえない…そんな空気だったのです。
具体的に言うと、とにかく収益率の高い商品を売れ!という指示。
私が当時売っていたのは、投資信託や外貨預金、保険などといったいわゆる金融商品でしたが、金融商品にはリスクがあるので適合性の原則というものがあります。
適合性の原則とは、顧客の保有資産や許容出来るリスク度に応じた商品を売らなければならない、というもの。
ですが、それは建て前で、適合性の原則に違反するかしないか、スレスレの営業を強いられていたと思います。
実際、私も、収益率の低い外貨預金を売って、所属長から嫌味を言われたりしていました。
嬉しそうに初めての外貨預金を買っていったお客さんや、「外貨預金くらいだったら協力出来るよ。あなたの成績になるんでしょ。」と言って商品を買ってくれた常連のお客さんのことを考えたら、悔しくてたまらなかったです。(言い返せませんでしたが)
とはいえ、店舗内営業(事務+営業)をしていた私は、事務の仕事もあったため、まだまだマシな方でした。
外回り営業をしていた人達の追いつめられ方は、嫌味を言われるとかそんなものではなく、トンデモなかったです。
暴言だったし、言われている内容も…
追いつめられている人も沢山見ました。
追いつめられたら、上の命令通り、トンデモない営業しちゃうこともあり得るかも…
見ていて、そう思っていました。
幸いなことに、私がいた職場では違法行為や犯罪行為で問題になるようなことはなかったですが、スレスレのことはあったんじゃないかと思っています。
トラブル自体はあったので…
ちなみに、本当に違法行為が発覚するということも、他部署ではありました。
無理やり契約させたとか、架空契約なんていうことも…
詳しい事情はわからないですが、上からの圧力もあったのではないかと思われるような話でした。
(違法行為をした社員自身がお金を自力で補填するなど、明らかに損する事例だったので)
…と、すごく特別なことのように書きましたが、営業を行う会社なら(もしくは営業でなくても)多かれ少なかれ、ある話なんじゃないかなと思います。
私自身は、結果的に、上司の命令で100%間違ったことをする、ということはありませんでした。
ですが、正直に言うと、違法行為はしていないものの、本当に顧客主義か?と言われたらそうではない営業もしたことがあるなと思っています。
…と同時に、
もっと会社や仕事が好きだったら…
もっとその会社で昇進したいと思っていたら…
もっとその分野の仕事で活躍したいと思っていたら…
もっとまじめな性格だったら…
明らかに間違っている上司の指示も、きちんと判断できずに聞いてしまっていたかもしれないと思うのです。
私の場合は、会社が嫌いで、仕事も嫌いで、金融業界の仕事も面白くないと思っていたので、上司の間違った指示に100%では答えなかっただけな気もするのです。
上司の指示に従えなくて追いつめられて会社を辞めることになっても、失うものが多くはないから。(正社員の仕事は失うけど)
でも、これが、
会社の中で出世したい!この会社が好き!仕事内容も好きでやる気もある!みたいな人だったら…
もしくは、中堅以上の社員で転職しても行くとこないと思っているような人だったら…
家族のために絶対に今の会社を辞められないっていう人だったら…
全然葛藤具合が違ったと思うのです。
日大アメフト部の例で言えば、「相手チームの選手を潰せ」と指示された選手が、将来有望な人じゃなかったら、こんな風にはならなかったのかもしれないと思ってしまうんですよね。
『上からの命令に従う以外の選択肢を考えられなくなる』という状態まで追い詰められたら、どうすれば良いか?考えてみた。
上からの命令は絶対。
組織内で間違った常識がはびこる。
命令に従わなければ、間違っていても組織内の常識通りに行動しなければ、自分も不利益を被る(と思われる)
そんな状況に陥ってしまったら、どうすれば良いのでしょうか。
いろいろ考えてみたのですが、答えはやっぱり、
上司からの命令や組織内の常識であったとしても、自分が間違っていると思うことはやらない
ということだと思います。
間違っている、間違っていないの程度にもよるとは思いますが…
犯罪行為なら勿論やるべきではないですが、犯罪行為でなくても間違っていないと思うなら、その場合もやはりやるべきではないのだと思います。
具体的に考えたことを図にしてみました。
従った場合、従わなかった場合、それぞれのデメリットを図にしてみたものです。
間違っていると知りながら、上からの命令や組織内のルールに従うメリットの1つは『その組織内にいられる(活躍の場が与えられる=やりたいことが実現出来る可能性がある)』ということだと思います。
でも、よく考えてみると、それって
間違ったことを不当に要求をする相手や組織から離れられない
というデメリットとも捉えることが出来ます。
間違ったことを不当に要求する相手や組織の中にいるというデメリットを見落としているんですよね。
そんな組織内にいたところで、そもそも長い目で見て、やりたいことの実現が出来る訳ないのです。
だから、自分にどんなメリットがあるか?という観点から見ても、上からの不当な命令や組織内の間違った常識には従わない方が良いという訳なのです。
まとめ
以上、日大アメフト部の悪質タックル事件を見ていて考えたことでした。
いろいろ書きましたが、まとめると…
・日大アメフト部の選手・コーチ・監督間で起きたことと似たようなことは、どんな組織でもよくある。
・上からの命令や組織内の間違った常識には従うべきではない(犯罪である場合は勿論、そうでなくても)
・不当な要求、命令に従うことによって得られるメリットは実は何もない。その組織に居続けるというのはデメリットでしかない。
というような感じです。
たとえ追い込まれた局面にあったとしても、そんな組織内にいることが実はデメリットである、ということに気付くことが大事ではないかなと思います。
読んで頂いてありがとうございました。
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