『10年後に食える仕事食えない仕事』(渡邉正裕著)の感想。

こんにちは、あやぞぅです。

会社を辞めた理由について、今までいろいろな記事を書きましたが…

私が会社を辞めたい理由。

退職直前ずっと考えていたこと、退職の決定打となった理由について。

会社を辞めた理由の中で書いていないことがありました。

直接的な理由ではなかったからなのですが、その理由とは、

近い将来、機械にとって代わられる仕事、なくなる仕事と言われている仕事の中に、自分の職種が入っていたこと

でした。

新卒から10年ほど同じ会社に勤めましたが、定年が60歳だとしても、残り25年以上はあります。

そのままの会社・職種で、残り25年生きていくことに不安を覚えたことも、会社を辞めた理由の1つだったのでした。

その時私が見たものの元ネタとしては、オックスフォード大学の准教授が出した論文、『雇用の未来』。

実際に論文を読んだ訳ではないのですが、その論文を元にしたニュースをネットで見たことがきっかけでした。

AI(人口知能)の進歩により、今ある仕事の77%ほどがなくなる可能性があるー

そして、わりと身近な職業の多くが10年以内になくなる仕事として紹介されているー

そんな内容。

私にとっては、それなりに衝撃的でした。

この論文関連のことについては、週刊現代の、この記事がわかりやすいので、よろしければこちらをご覧下さい。

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」

会社を辞めて以降、そのことはすっかり忘れていたのですが、最近になってまた、これから先の人生について考えるにあたり、また改めて思い出したのでした。

そして、『雇用の未来』ではないのですが、同じようなことが書いてある本を読みました。

ちなみに、読んだ本は、『10年後に食える仕事食えない仕事』という本です。

とても興味深かったので、今回はその本の内容の簡単なまとめと感想、今後私はどうしていこうと思ったか?などといったことについて書いてみたいと思います。

内容はザックリとしたネタバレ入ります。

大丈夫な方だけ、どうぞ~

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『10年後に食える仕事食えない仕事』の内容まとめ

この本の初版は、2012年2月。

今から約5年ほど前に書かれた本ということになります。

そのせいか、IT化という言葉は出てきても、AIという記述はほぼ出てきません。

でも、逆に、IT化によってなくなる仕事かどうか、いう視点以外でも語られているのが、とても良かったです。

近い将来に仕事がどうなるかを左右するのは、IT化だけの問題ではなく、様々な要因によると思うしね。

ちなみに、著者の渡邉正裕さんという方は、ニュースサイトの編集長であり、ジャーナリストだそうです。

全ての職業は4つのジャンルに分類できる

この本では、全ての職業を大きく4つに分類しています。

縦軸にスキルタイプが知識集約的か技術集約的かを、横軸に『日本人メリット』の大小をとった4分類です。

(上の図は、本書の図をもとに、作成しました。)

知識集約的な職業とは、特定の知識をよりどころとする職業、技術集約的な職業とは特定の技能をよりどころとした職業というようなイメージです。

言葉を変えると、知識集約的な職業=ホワイトカラー(事務所やオフィスで頭を使った仕事をする人)、技術集約的な職業=ブルーカラー(現場で技術や体力を駆使した仕事をする人)と表現することも出来ます。

『日本人メリット』とは、日本で生まれた日本人でないと身につけづらい特殊性ということです。

つまり、日本人メリットが高い職業というのは、日本人でないと身につけづらい能力を活かした職業であり、日本人メリットが低い職業というのは、日本人であるかないかにかかわらず出来る職業という表現をすることも出来ます。

①『重力の世界』

グラフの左下、つまり、日本人メリットが小さく、技術集約的な職業については、本書では『重力の世界』と表現されています。

このゾーンは、日本人である必要性が少なく、ある一定の技能は求められるものの、特段の付加価値の高いスキルという訳ではない職業群。

具体的には、コールセンターのスタッフ、店舗の店員、プログラマー、介護福祉士、汎用品を主に扱うメーカーの開発者、警備員、タクシードライバー、航空会社地上スタッフ、低付加価値営業などが挙げられています。

日本人である必要もなく、高いスキルも要しないため、グローバル化やIT化の波にさらされやすく、賃金の安い外国人労働者や機械に取って代わられる可能性が高い職業であると言えます。

『重力の世界』というネーミングなのは、重力の法則に従うかのように、グローバルの最低水準価格にまで賃金が下がっていく世界だからだそう。

ここのゾーンの職業は、間違いなく『食えなくなる職業』。

一刻も早く脱出することを考えるべきだと、本書には書かれています。

②『無国籍ジャングル』

グラフの左上、つまり、日本人メリットが小さく、知識集約的な職業については、本書では『無国籍ジャングル』と表現されています。

このゾーンは、ホワイトカラー的な頭を使う仕事ではあるものの、日本人である必要性が少ない職業群。

国籍は関係なく、世界中の人と競い合わなければならないというのが大きな特徴であり、そのため、『無国籍ジャングル』というネーミングがつけられています。

具体的には、ディーラー、トレーダー、メーカー基礎研究社、国際弁護士、パイロット、ファンドマネージャー、建築家、デザイナー、財務、経理、CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)などが挙げられています。

それなりに高いスキルは要するものの、日本人である必要性がないため、グローバル化が進む中では世界の人々との激戦が予想されるゾーン。

超実力主義な世界で、勝ち残れるのならば未来は明るいものの、勝ち残れなければ食えなくなる可能性大なのです。

ガツガツとサイボーグのように働き、勝ち抜く覚悟を要するゾーンだといいうことが出来ます。

③『ジャパンプレミアム』

グラフの右下、つまり、日本人メリットが大きく、技能集約的な職業については、本書では、『ジャパンプレミアム』と表現されています。

このゾーンは、ブルカラー的な技術や体力を要する仕事ではあるものの、日本人である必要性が高い職業群。

このゾーンは、日本人であるメリットが最も生きる職業であることから、『ジャパンプレミアム』というネーミングになっています。

日本人ならではの高いサービス精神やチームワーク力を要する仕事、日本人同士であるがゆえの深い信用とコミュニケーションのしやすさを活かした営業や管理業、または日本独自のカルチャーに関連した職業などです。

具体的には、住宅営業、人材紹介業、ケアマネージャー、メガバンクの地域営業、保険・証券のセールス、マンション管理士、ホテルマン、旅館女将、保育士、航空会社CA、造園師、日本料理人、栄養士、教員、美容師、自衛官、公務員などが挙げられています。

日本のサービスの質の高さやチームワーク力は世界に類を見ないレベル。

そのため、サービス関連の職種や高度なチームワークを要する職種は、仮に海外進出を果たしたとしても勝ち残ることが出来ると言えるそうです。

また、日本人であるがゆえの信頼が不可欠となる職業に関しては、言葉を変えると、日本語の堪能な外国人などがいたとしても参入することが不可能であるということ。

つまり、グローバル化が進んででも、世界の国の人々と競争するという展開になりづらいということです。

このゾーンは日本人メリットが最大限に生きる職業群であるため、国際競争の波にさらされる可能性が低い、もしくは、海外進出などしたとしても、その独自性が故に競争に勝ち残ることが出来る分野の仕事であるということです。

なお、このゾーンに、公務員(教員、自衛官含む)などが挙げられているのは、国による参入規制があるから。

日本国籍を有しているものしかなることが出来ない職業となっているので、ジャパンプレミアムの仕事と言えるとのことです。

④グローカル

グラフの右上、つまり、日本人メリットが大きく、知識集約的な職業については、本書では『グローカル』と表現されています。

このゾーンは、ホワイトカラー的な頭を使う仕事であり、かつ、日本人である必要性が高い職業群。

グローバル化の波を避けることが不可能で、海外進出が必須となるものの、日本人独自のスキルや日本人であることそれ自体を活かすことが出来るのが、この『グローカル』です。

具体的には、高級官僚、政治家メーカー開発者、コンサルタント、医師、歯科医師、弁護士、人事のプロ、証券アナリスト、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、税理士、通訳、翻訳家などが挙げられています。

この職業群は、高度な知識的集約的スキルが必要になる上、日本人としての感覚を持っていることや、ネイティブな日本語が喋れることが求められるため、外国人の参入障壁は非常に高くなっています。

グローバル化の波にはさらされますが、日本人メリットがある故、厳しい競争にはなりにくい、もしくは競争に勝つことが出来る分野であると言えます。

なお、このゾーンに、政治家や高級官僚が入っているのも、国による参入規制があり、日本人でなければなることが出来ない職業だからです。

4分類のどこに属するかの判定チャート&生き残り方

本書では、職業の4分類の特徴について細かく説明した後、それぞれの職業がどの分類に属しているのか判定出来るチャートと、4分類それぞれの職業の今後の生き残り方などについて書かれています。

生き残り方について、印象的だったところをまとめてみると…

・『重力の世界』からは脱するべし。

・自分の能力に自信がないなら、公務員などの参入規制がある職業を目指すべし。

・『重力の世界』からの逃避先としては、技能系なら『ジャパンプレミアム』、知識系なら『グローカル』、腕に自信があるなら『無国籍ジャングル』へ。

・『ジャパンプレミアム』に関しては、会社の看板に左右されがちなので、会社の看板が強そう、将来性がありそうな会社を選ぶべし。ただし、会社に左右されるというリスクがあることを理解するべき。

・『グローカル』は会社よりも個のスキルに左右されるところが大きい。日本人メリット+特定の知識を身につけていること、で他との差別化を図りやすいのが特徴。

・著者のおすすめは、『グローカル』

ただし、この部分の内容はかなり多岐に渡り、全くもって内容を網羅していないので、詳しくは是非本書をお読み頂ければと思います。

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『10年後に食える仕事食えない仕事』を読んだ感想&私のこれから。

ここからは、この本を読んだ感想と、それを踏まえての私のこれからについて書いてみたいと思います。

『日本人メリット』という視点が、目からウロコだった。

この本を読んで一番印象的だったのは、今後食える仕事か食えない仕事かを考える上で、『日本人メリット』が関わってくるという視点でした。

これは、最初に書いた『雇用の未来』にはない視点だと思います。

どんなにIT化が進んでも、AIの技術が発達しても、日本人にやってもらいたいと思うような仕事、日本人でなければ出来ない仕事があるということは、今後の働き方を考える上で大きな視点だと思います。

私の以前の仕事は『重力の世界』と『ジャパンプレミアム』にまたがる仕事だった。

私の以前の仕事は、銀行での事務&店舗内営業でした。

私が担っていた事務は、100%『重力の世界』の仕事。

一方、店舗内営業に関しては、保険や投資信託などを売っていたので、日本人メリットが大きく、高いサービス力も要する『ジャパンプレミアム』かな~と思いました。

ただ、メインの仕事としては事務がほとんどで、忙しい合間を縫って営業をしろというスタンスだったので(都市銀行など大手ではあり得ないですが)、『重力の世界』寄りの内容だったと言えます。

それならば、同じ会社の中でも『ジャパンプレミアム』の営業職をメインに出来れば良いのかもしれませんが、私としては、金融商品の営業は苦手で仕方がなく、やっていて辛かったというのが正直なところ。

いくら『ジャパンプレミアム』に将来性はあっても、私にとっては未来はありません。

この本を読んで改めて、そりゃやっぱり私会社辞めるはずだよなぁ~と思ったのでした。

私が今後目指すべき道は…『日本人メリット』を活かす仕事。

この本を読んで、今後の職業選びについて、ちょっと考えてみました。

当然ですが、『重力の世界』の仕事は問題外です。

『無国籍ジャングル』に関しても、バリバリ働きたいタイプではない私には向きません。

となると、『日本人メリット』を活かした『ジャパンプレミアム』か『グローカル』ですが…

正直、どっちが良いのか?というは決めきれませんでした。

『ジャパンプレミアム』の中でも営業系の仕事は出来ないですし、だからと言って、今から何か頭を使う専門的な職業に就きたいか?と言われても、具体的に勉強したいこともなく、やりたい仕事も思いつかないので、『グローカル』もどうなんだろう?という感じです。

しいて言うなら、『日本人メリット』を活かせるサービス業が良さそうな気もするのですが…

『ジャパンプレミアム』はブルーカラー的な側面があるため、体力勝負なものが多く、それはそれで無理そうだなーと思います。

(比較的身体が弱いので…)

素直な希望としては、『日本人メリット』が活かせるサービス系業なんだけど、体力のいらないホワイトカラー的な職種というのが良いです。

具体的な職業があまり思いつかないけど。

しいて言うなら、コンサルとかカウンセラーとかそういう職業かな?

自分がやるイメージは全くわかないですが。

ただ、『日本人メリット』だけは活かせる仕事がいいなと思いました。

この本を読んで、それがわかったのは良かったです。

まとめ

以上、『10年後に食える仕事食えない仕事』の内容まとめと感想でした。

働き方について、考えたい人にはオススメ出来る本なので、興味ある方は是非読んでみて下さい。

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コメント

  1. まるい より:

    こんにちは。
    仕事がAIにとってかわったら大変です。
    でも一応無くなる仕事の中には入っていなかったので
    ちょっとだけ安心しました。
    でも今から考えないといけないことですね。

    • あやぞぅ より:

      まるいさん>
      コメントありがとうございます。
      なくなる仕事でないなら良かったですね。
      AIなどの技術の進化によって、仕事以外の面でもいろいろな変化をもたらすのではないかと思いますが、うまく利用出来たら良いですよね。
      私は今後もなくならない仕事で、自分のやりたい仕事が出来るよう、頑張りたいです。